■コメントの傾向について
コメントの傾向として以下を挙げる。
・アメリカの違法性を指摘するものが多い
・日本の国内問題(憲法9条の解釈など)として捉える回答が多い
・アラブ諸国の動向について指摘したものが少ない
・イラクの主権や、イラクに関する最近の情報に基く意見が少ない
・「国際社会」を意識した意見が散見された
・各国での市民運動の高まり、あるいは政権への市民の影響力などに触れた意見はない
・「国連」という単語を用いた意見が散見された
・石油について述べた意見が散見された
傾向として、この問題が主に日米関係の問題として認識され、相対的にイラクおよび中東アラブ諸国に対する関心、展望は低いと見ることができる。
特に(Q6)、(Q8)へのコメントでは、設問で「イラクおよび、その周辺の中東アラブ諸国と、日本との間の政治的、経済的関係」についての設問に対し、「平和憲法を持つ日本」の立場から日本の姿勢を説くなど、国内問題としての視点、あるいはアメリカとの関係を見直すべきと言った視点が多い。
「(Q6)中東とわが国の関係は宗教が絡まないという観点で重要(
石破茂議員・自民・一部引用)」といったこれまでの外交関係を踏まえたコメント、また「(Q6)すでにアフガン空爆への協力で、日本の持っていたこの地域に対する中立的イメージは崩れている。イラク攻撃に参加することで、日本が歴史的に培ってきたアラブ諸国との関係は決定的に破壊される。(
小池晃議員・共産) 」といったコメントなどに強い危惧が見られる。しかし、回答全体としては当事者としての日本の立場を記述し危機感を示すものは少なかった。
「国際社会」を意識したコメントが散見されたが、「国際社会」という言葉が漠然と使われている印象を受けた。
しかし、具体的な国名、エリアの状況や、関係を述べたコメント、パレスチナ・イスラエル問題などへの影響、あるいは、中東地域での大規模な戦争への拡大を懸念するコメントもあった。
さらに、国連や国際社会での協調を推奨する意見がよく見かけられた。しかし、では、「国際社会」がイラク攻撃に「合意」した場合、日本はどうすべきなのか、あるいは、現実の国連全体や国際社会と、安保理の姿勢との間のギャップがしばしば論じられるが、それついてどう考えるかなどは、アンケートの力不足
(※1)もあり、窺い知ることが出来なかった。
全体的に、マスコミュニケーションに流通する以外の情報を基にしたと感じられるコメントが少ないという印象を受けた。
これに資するべく、マスメディアのみならず、市民同士の交流に基づく生きた情報を流通させることの効果は大きいと予想される。
なお、今回のアンケートで引き出せなかったと感じた見解については、次回への課題としたい。